ベースラインの作り方とは?経験を交えて解説!!

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ベースラインは、「どのような作り方があるのか」「どう動かせば良いのか」と迷っている方は多いと思います。そんな私もそのような状況でした。

しかし、あることをしっかり押えていれば、簡単なベースラインはすぐに作ることができます。これには、ベースという楽器を理解することが重要です。

そして、さらに一歩進んだ、ベースラインの作り方の「コツ」も紹介していきます。

この記事では、ベースの役割についてとベースラインの作り方を、私の経験を交えて解説していきます。

ベースラインの作り方のマナー

はじめに、ベースはリズム楽器でもあり、メロディー楽器でもあります。

リズムは、曲を支えるのがその役割です。また、ベースはメロディーを演奏できますが、一番目立たせるべきなのはメインメロディー(歌)です。

そこで、ベースラインを作る際に、2つの注意点があります。

  • 曲を支えることを意識する
  • メインメロディー(歌)の邪魔をしない

これらのことを意識した上で、ベースライン作りをしていきましょう。

ベースの役割について

ベースには、人が感じにくい低音を強調し、曲の土台であるコードとリズムを「接着剤」のように繋ぎ合わせる役割があります。

コードとは、「ド・ミ・ソ」の様に、3つ以上の音階を同時に鳴らす和音のことです。

これは、主にギターによって演奏されます。また、リズムはドラムによって演奏されます。

それならば、「じゃあギターとドラムだけあればいいじゃん」と感じると思います。実際、私もそう思っていました。

しかし、ギターとドラムだけの場合、低音が不足してしまいます。これによって、曲を聴いた時の安定感や”グルーヴ(ノリ)”を感じられないほど、物足りなさが出てきます。

これは、「体感」することをおすすめします。例えば、同じ曲を、ベースがいるパターンといないパターンで聴いてると良いです。あるいは、バンドを組んでいるのなら、あえてベーシスト抜きで曲を演奏してみてください。

下の音声は、ベースがいないパターンといるパターンで作ってみました。

ベースがいないパターン

ベースがいるパターン

すると、ベースがあることで、心地よさが感じられることがわかります。

また、リズムに関して、ベースはドラムとセットで「リズム隊」とよく呼ばれます。これは、ドラムのリズムに「音の長さ」を加えることにより、”グルーヴ(ノリ)”をより感じさせることができるためです。

このように、ベースはコードとリズムにとても大きな影響力があります。そのため、これらを繋ぎ合わせ、コントロールすることがベースの大きな役目になります。

ベースの立ち位置は、スポーツで例えるとチームを取りまとめる「キャプテン」に近いです。

ベースラインの作り方の基本

ここからは、ベースライン作りで大切な基本について解説していきます。

ルート音を弾く

ベースライン作りでは、コードの1番低い音である「ルート音」を弾くのが最も安定します。

例えば、「C」や「Cm」といったコードでは、どちらもC(ド)がルート音です。つまり、先頭のアルファベットがルート音を表します。

基本的に、ベースはルート音を弾いていれば大丈夫です。これが、最もシンプルで大事なことです。

バスドラムに合わせる

ベースをドラムのバスドラムに合わせると、よりリズムに躍動感が出ます。

バスドラムとベースが密接な関係にあることは、下の音声から感じていただけるかと思います。

まずは、ドラムだけのリズムパターンです。

次に、スネアドラムにベースを合わせたバージョンです。

バスドラムにだけ合わせたバージョン

お分かりいただけたでしょうか。バスドラムに合わせることによって、リズムが生き生きしてきましたよね。

このように、バスドラムに合わせることで、リズムに躍動感を出すことができます。

様々なベースラインの作り方のアプローチ

ここからは様々なベースラインのアプローチを紹介していきます。

どういった雰囲気にしたいかまず考える

まず、どういった雰囲気にしたいか考えましょう。イメージがなければ、納得するベースラインができないからです。

例えば、以下のような感じで考えます。

・動くベースラインを弾きたい

・疾走感を出したい

・メロディアスにしたい

・このアーティストの曲(ベースライン)みたいにしよう

このように、最初に「どうしたいか」を考えることは非常に重要です。

歌ってみる

曲を流しながら、適当にベースラインを歌ってみます。声を出すことによって、他の楽器との兼ね合いも意識でき、良いベースラインが生まれやすいからです。

その際に、録音しておくことがおすすめです。後で聞いてみて、良いものであれば、ベースラインに落とし込んでいきましょう。

ここでの注意点は、忠実に再現する必要はないです。私は、歌の音程に自信がないので「大体こんな感じ」と言う具合でやっていました。

経過音を使う

ベースラインの作り方は、経過音を使うことが大切です。

経過音とは、コードのルート音が変わるときに、中間の高さの音を一瞬入れるものです。これには、ベースラインを滑らかにする効果があります。

具体的な例として、下の音声を聞いてみてください。

ルート音だけで経過音を入れないパターン

これは、4弦3フレットの「G(ソ)」→3弦5フレットの「D(レ)」→4弦5フレットの「A(ラ)」→3弦3フレットの「C(ド)」という順番で、繰り返しています。

経過音を入れたパターン

これは、4弦3フレットの「G(ソ)」→0:02秒:3弦4フレットの経過音→3弦5フレットの「D(レ)」→4弦5フレットの「A(ラ)」→0:06秒:3弦2フレットの経過音→3弦3フレットの「C(ド)」→0:08秒:4弦1フレットの経過音→4弦2フレットの経過音を繰り返しています。

だいぶベースラインができた感じになりますね。経過音は、このような使い方ができます。しかし、あまり連続して使いすぎると、気持ち悪いフレーズになってしまいます。そのため、「一瞬通る」という感じで使いましょう。

5度の音

また、「5度」と呼ばれる音を入れるのも有効です。

大体のコードに合うので、非常に使いやすいです。

下の音声は、先程のコード進行にルートと5度の音を入れたパターンです。

違和感なくフレーズが入っていると思います。しかし、あまり考えずに入れています。

これは、ルート音に対して5度の位置は決まっていて、低音・高音の5度を使い分けているだけです。下の図が指板上の位置になります。

このように、大体のコードに合うので、非常に使いやすいです。

コード構成音を使う

コードの構成音の中から、選んで弾くのも良いです。どれを使っても、違和感がありません

例えば、C(シー)というコードがあります。これの構成音は「ド(C)・ミ(E)・ソ(G)」です。

Am(エーマイナー)というコードは、「ラ(A)・ド(C)・ミ(E)」です。

このように構成音でベースラインを組み立てる方法です。

もちろんルート音が安定しますが、実験的に「こういった流れはどうだろう」と言うふうに組み立てることができます。このように、頭では考えつかなかった新たな発見があります。

とにかく適当に動き回ってみる

理論などを全く無視して、曲を流しながら、とにかく適当に動き回ってみると言うやり方もあります。

私は、この方法はよくやります。「これが正解」などと言う概念を取っ払ってやるので、単純に楽しいです。

なんとなく良さげなベースラインができたら、それを軸に練っていくと良いです。

ベースラインの作り方で意識するポイント

ここからは、ベースラインの作り方で意識すべき3つのポイントを紹介します。

それぞれ、「次のルート音に向かって動く」・「上物の音の隙間を狙って動く」・「音を抜く」です。

次のルート音に向かって動く

次のルート音に向かうように動くことで、意味のあるフレーズになります。

例えば、家からスーパーに行きたいとします。その際に、どの道を通っていくか考えますよね。スーパーという「ゴール」があるので、道筋が見えます。

これは、ベースラインでも同じことが言えます。

そのため、まず次のルート音をゴールに設定します。すると、「じゃあこの音を経由して行こう」というアイデアが生まれやすいです。

このように、次のルート音をゴールと考えることで、流れの良いベースラインができます。

上物の音の隙間を狙って動く

上物の音数が少ない、もしくは、鳴っていないタイミングはベースが動くチャンスです。上物とは、ドラム、ベース、といった基本の音(リズム隊)の上に乗るものです。主に、ボーカルやメロディ、ソロなどの音のことです。

例えば、サビで全員が動いてしまうと、メロディーの邪魔をしてしまい、まとまりのない曲になってしまいます。

特にベースは、その辺のバランス感覚は非常に重要です。「支えるところは支えて、出るところは出る」これを常に意識する必要があります。

音を抜く

また、「音を抜く」、つまり休符を入れることも重要です。

ベースラインを考えていると、「入れる」ことばかり考えてしまい、うるさくなりがちです。音を抜くのは、これを防ぐためです。

また、ベースの存在感は、いない時に強く認識されます。なぜなら、いるのが当たり前だからです。

例えば、冒頭の部分で、ベースがいない曲があります。ベースが入った瞬間に、一気に「始まった」というような感覚になると思います。その逆もしかりです。

このように、音を抜くことで、ベースの存在感を出すことができます。

ベースラインの作り方で簡単でおすすめの方法

ここまで話した内容を、「なんか難しそうだなー」と感じた方はいるかと思います。そこで、簡単かつ効果的なテクニックを紹介します。

これらを駆使することで、ベースラインの雰囲気を変えることができます。

スライド/グリッサンド

まずおすすめなのは、スライドやグリッサンドと呼ばれる手法です。これらは、弦を滑らせて、音程の変化を滑らかにするものです。

スライドは、現在押さえているフレットから、次に押さえるフレットまで指を滑らせることで、異なる音程を1つに繋ぐ奏法です。

下の音声がスライドです。

グリッサンドは、現在押さえているフレットから、「低音に向かう」もしくは「高音に向かう」という、ざっくりしたものです。

下の音声がグリッサンドです。

スライドのように、「このフレットに向かう」ということはしません。

これらのテクニックを用いることで、ベースらしいうねりを表現できます。

例えば、コードチェンジの際にスライドを使うことによって、滑らかにうねりのあるフレーズに変化します。

あるいは、ベースが入るタイミングで、グリッサンドを「ぐわ〜ん」と入れるだけで、「ベースきたー」と言う雰囲気になります。

ハンマリング・オン/プリング・オフ

次に、ハンマリング・オンやプリング・オフと呼ばれる奏法もおすすめです。弦を叩いたり、引っ張る奏法です。

ハンマリング・オンとは、弦をピッキングした後、現在押さえているより高いフレットを叩くように押さえる奏法です。

下の音声がハンマリング・オンです。

プリング・オフとは、ピッキングした後、押さえていた指を弦に引っ掛けるように離し、現在押さえているフレットより低い音程を出す奏法です。

下の音声がプリング・オフです。

これらのテクニックにより、うねるようなフレーズが生まれ、かなり動いていると言う感覚を持たせることができます。

例えば、ハンマリングとプリングを連続して2回繰り返すだけで、大きな変化が生まれます。早いベースラインの際に、私もよく使います。

かなり動いているように聞こえるので、私の中で「ハッタリフレーズ」として、重宝しています。

オクターブ奏法

最後に、オクターブ奏法もおすすめです。

オクターブ奏法とは、低音弦の音とその1オクターブ高い高音弦を弾く方法です。

例えば、3弦3フレットのC(ド)から見た、1オクターブ高い弦は1弦5フレットのC(ド)です。以下のようになります。

ベースではどの音でも、弦とフレットを1つずつまたいだ、対角線の位置が1オクターブ違う音になります。

このように押さえ、低音のルート音から1オクターブ高い音を「低音→高音→低音→高音」と1音ずつ交互に繰り返す奏法です。

下の音声がオクターブ奏法です。

例えば、ドラムが「4つ打ち」といって、バスドラムを4分音符で刻むとき、この奏法はすごく合います。私もよく使っています。

オクターブ奏法は、ダンサンブルな”グルーヴ”を出すことができ、非常に印象的なベースラインを作れます。

まとめ

ここまで、ベースラインの作り方を、私の経験を交えて解説してきました。

ベースはリズム楽器でもあり、メロディー楽器でもあります。その役割は、コードとリズムを繋ぐという、非常に重要な部分を担っています。

基本は、「ルート音」と「バスドラム」に合わせることを意識しましょう

また、今回紹介したアプローチを駆使して、様々なベースラインの作り方を試してみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

あなたのベースライフの参考になれば幸いです。

それでは。

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