ベースを弾いていると、どこからともなく「プリアンプ」というワードが飛び交う瞬間があると思います。
初心者は「一体なんのことを言っているのかわからない」はたまた、「どんな効果があるの」と疑問に思う方は多いと思います。
プリアンプを使いこなせるようになると、非常に音作りの幅が広がります。ベースアンプだけの音作りで苦戦している方は、特におすすめです。
この記事では、ベースのプリアンプについて解説していきます。
もくじ
プリアンプとは
まず、プリアンプについて解説します。これは、”音質を調整できる機器”です。いうならば、”小さなアンプ”というイメージです。
ベーシストに非常に人気のエフェクターであり、また”アクティブタイプのベースに内臓されている”のもプリアンプです。
ベースアンプの仕組みを知る事で、「プリアンプとは?」が理解できるのでここから解説していきます。
ベースアンプは、”プリアンプ→パワーアンプ→スピーカー(キャビネット)”という仕組みになっています。それぞれ以下の役割で成り立っています。
- プリアンプ・・・イコライザーと呼ばれる部分で、BASS・MIDLLE・TREBLE・プレセンスなど各アンプについている音質を調整する部分。
- パワーアンプ・・・プリアンプからの信号を増幅・出力してスピーカーに橋渡しをする部分。
- スピーカー(キャビネット)・・・作った音を外部に放出する機器。
このように、3つの役割が合わさったものが”アンプ”と呼ばれます。プリアンプ・パワーアンプは、通称”ヘッドアンプ”と言いセットになっています。その音質調整部分だけを取りだしたのが、プリアンプと呼ばれます。
また、アクティブタイプのようにプリアンプが内蔵されたものを”オンボードプリアンプ”と呼び、エフェクターにしたものを”アウトボードプリアンプ”と呼びます。
今回は、アウトボードプリアンプを説明していきます。
以上の通り、プリアンプは「ベースアンプから音質を調整できる部分を取り出した」、小さなアンプというイメージです。
プリアンプの役割
プリアンプは、以下の役割があります。
- 音質調整
- ノイズや音痩せ防止
- DI機能
ここからそれぞれ解説していきます。
音質調整
音質調整は、ベースアンプでは補いきれないを部分をカバーすることできます。
また、ベースアンプとは全く違った音作りをすることで、「スラップ時に使用する」「ソロで使用する」などと言ったやり方もできます。
また、各メーカーによって非常に様々な音のキャラクターがあるので、「これだ!!」と言ったプリアンプがあれば非常に重宝します。
更に、大体のプリアンプには、”歪み”のエフェクターが内蔵されているものが多いです。そのため、歪みのエフェクターとして使用することも可能です。
このように、ベースアンプの音作りの補正をしたり、プリアンプメインの音作り、はたまた歪みなどのエフェクターとしての使用も可能です。
ノイズや音痩せ防止
次に、プリアンプを通すだけで、ノイズや音痩せ防止になります。
これは、インピーダンス(抵抗値)の話になり、ややこしいので…詳しくはわかりませんが。。。
簡単いうと、パッシブタイプ(電池がいらない)のベースは「ハイインピーダンス」という音声信号になります。これは、ノイズに弱く、長くシールドを引き回すと音痩せが目立つのが弱点です。
しかし、プリアンプを通すことで、「ハイインピーダンス」を「ローインピーダンス」に変換してくれます。するとノイズや音痩せに強くなるということです。
このような機能があり、ノイズや音痩せが防止できます。
DI機能を使用できる
DIとは、「ダイレクト・インジェクション・ボックス」の略で、ダイレクトボックスと呼ばれるものです。以下の画像はダイレクトボックスの機能だけを持った機器です。
ライブハウスに出演する際に、必ず使用するものです。詳しくは以下の記事で解説しています。
このDI機能がついていることで、ライブハウスやレコーディングなどで、プリアンプで作った音を反映することができます。
これについては、「まあ便利なんだな」ぐらいの感覚でいいと思います。。私はそのような感覚です。。
このように、DI機能があることで、ライブハウスやレコーディングの際に便利なことがあります。
プリアンプの使い方
プリアンプの使い方は、接続順によって使い方が変わります。以下の用途が考えられます。
- 音作りとして
- 他エフェクターの調整として
- 飛び道具として
ここからそれぞれ解説していきます。
音作りとして
プリアンプをメインで音作りをする場合では、以下のように繋ぎます。
ベース→プリアンプ→他エフェクターアンプという順番にします。
ベースの後につなぐ事によって、プリアンプメインでの音作りになります。なぜなら、ベースの本来の音を、すぐにプリアンプで調整することで、根本の音が「ベース+プリアンプ」になるからです。よってこの繋ぎ方では、常にかけっぱなしが基本ですね。
プリアンプで作った音を基本にして、その他のエフェクターのON/OFFで音色を使い分けていくやり方になります。
私は、このように音作りをしていました。ベースアンプは、ライブハウスによって様々な種類が置いてあるので、音作りが難しいのが悩みでした。
そこで、足下のプリアンプで音作りができると、触ったことのないベースアンプでも調整がしやすくなりました。こういったことからもベーシストに人気がある理由の一つです。
このように、プリアンプありきで音作りをするやり方です。
他のエフェクターの調整として
これは、他のエフェクターの音作りで”足りない音域”を増減して調整するやり方です。以下のように繋ぎます。
ベース→他エフェクター→プリアンプ→アンプという順番にします。
エフェクターの効果で、「低音が足りない」「高音がうるさすぎる」などといった症状がある場合があります。そのような時に、プリアンプで音色を調整することができます。
このように、他エフェクターの「足りない音域を調整するためにプリアンプ使う」という方法です。
飛び道具として
プリアンプは、多くの機種で”歪み”の機能が入っています。歪みとは、いわゆる音割れを表現したエフェクト(効果)です。
これを前面に押し出して、飛び道具として使うパターンです。以下のように繋ぎます。
ベース→他エフェクター→プリアンプ→他エフェクター→アンプ
歪みでプリアンプを使用しているアーティストも多いです。また、単純に「スラップ用」「ソロ用」とか弾き方によって分ける場合も、飛び道具という認識でつなぎましょう。
ただし、それぞれのエフェクターを最大限に活かすために、目的に応じて順番を変える必要が出てきます。
以下の記事でエフェクターのつなぎ方を解説しているので、覗いてみてください。
このように、飛び道具として使うやり方もあります。
代表的なプリアンプ2選
プリアンプは各メーカーが凌ぎを削って販売しています。「どれがいいのか」はそれぞれの好みだということは、いうまでもありませんが、その中でも「定番中の定番」を2つ紹介していきます。
-
TECH21 ( テック21 ) サンズアンプ/Bass Driver DI V2
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MXR ( エムエックスアール ) / M80 Bass D.I.
この2つは、必ず名前が上がるプリアンプなので、初心者には非常に試しやすいものになります。
ここからそれぞれ解説していきます。
TECH21 ( テック21 ) サンズアンプ/Bass Driver DI V2
プリアンプと言ったら、この黒と黄色のサンズアンプです。携帯で言ったらdocomoといった具合でしょうか。そのぐらい定番です。
私は、このモデルの旧型を使用していますが、その最新型になります。非常にイコライザーの効き目がよく、良くも悪くもサンズアンプの「ブリッ」とした音色が特徴的です。
また、旧型にはなかったMIDコントロールも新たに搭載されているので、更に細かな音作りが可能になっています。
以下の動画は使用例です。
サンズアンプ色が強くなるので、好みは分かれますが、非常にロックに向いた音作りができると思います。
このように、プリアンプの大定番の一つがサンズアンプです。
MXR ( エムエックスアール ) / M80 Bass D.I.
こちらも大定番のプリアンプ、黒と白が基調のMXR M80です。携帯で言ったら、SoftBankあたりでしょうか。
イコライザーの効きもよく、歪みの効果がすごいです。価格帯もプリアンプにしては安く設定してあるので、おすすめです。
以下の動画は使用例です。
このように、MXR M80も定番のプリアンプです。
まとめ
ここまで、ベースのプリアンプについて解説してきました。まとめると以下の通りです。
- プリアンプとは、小さなアンプ
- 音質調整・ノイズや音痩せ防止・DI機能と言った役割がある
- メインの音作り・他エフェクターの補正・飛び道具と言った多岐にわたる使用用途ができる
プリアンプは非常に優れたエフェクターです。これをを使用していくと、ベーシストに人気の理由がわかってきます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたのベースライフの参考になれば幸いです。
それでは。