ベース特有の音色が出るグリッサンドは、弾いても聴いても、非常に「気持ちいい」ものです。しかし、「どんな音色なの」「どんな弾き方なの」「TAB符(=ベースの楽譜)の表記は」など多くの疑問があると思います。
非常にシンプルな奏法ですが、「きれいに決める」ことができれば、大きな存在感を発揮します。
この記事では、ベースのグリッサンドについて解説していきます。
もくじ
ベースのグリッサンドとは
グリッサンド(=グリス)とは、指を弦に滑らせて、うねるような独特の音色を出す奏法です。
下の音声がその一例です。
こう言った音色を出せることから、フレーズの変化をつける際に使われたりします。慣れれば非常に簡単で、かつ効果的です。そのため、多くのベーシストに好まれる奏法です。
ただ、スライド奏法と似ていることから、混乱しがちです。
大きく違う点は、「出発点の指定がなく、終点があるパターン」・「出発点があり、終点がないパターン」・「どちらの指定がないパターン」があるということです。
スライド奏法については、以下の記事で詳しく解説しています。
このように、グリッサンドは、弦を滑らせてうねるような独特の音色を出す奏法です。
ベースのグリッサンドの演奏方法・表記
ここから、グリッサンドのTAB符表記・演奏方法について解説していきます。
グリスアップ
グリスアップとは、高音に向かってグリッサンドをすることです。下の音声のような音色になります。
これには、以下の3種類のタイプがあります。
・出発点が決まっているタイプ
・終点が決まっているタイプ
・出発点も終点も決まっていないタイプ
下のTAB符で、それぞれ解説していきます。
1つ目は、出発点が決まっているタイプです。
上の画像で赤く囲ったように、特定のフレットから、「g」というアルファベットと共に、右肩上がりの線が書かれたものです。
上の図の場合は、「4弦6フレットから高音に滑らせて、適当なところでやめてくださいね」という意味です。
2つ目は、終点が決まっているタイプです。例えば、上の画像で赤く囲ったようなものです。
出発点は書いてませんが、2弦8フレットに向かって、「g」というアルファベットと共に、右肩上がりの線が書かれています。
これは「2弦の適当なところから指を滑らせて、8フレットにきてくださいね」ということです。
3つ目は、出発点も終点も決まっていないタイプです。
これは「×」の表記と、「g」というアルファベット、そして右肩上がりの線で表されます。
これは、「4弦のどこからどこまででも良いので指を滑らせてね」ということです。
このように、グリスアップは、高音に向かってグリッサンドをすることです。出発点が決まっているパターン・終点が決まっているパターン・どちらも決まっていないパターンがあります。
グリスダウン
グリスダウンとは、低音に向かってグリッサンドをすることです。下の音声のような音色になります。
グリスアップと同じように、3種類の表記があります。
・出発点が決まっているタイプ
・終点が決まっているタイプ
・出発点も終点も決まっていないタイプ
違うところは、右肩下がりであることです。
1つ目は、出発点が決まっているパターンです。上の画像で赤く囲ったものは、「4弦11フレットから低音に向かってください」という意味です。
次は、終点が決まっているパターンです。上の画像で赤く囲ったものは、「低音から4弦11フレットに来てください」という意味になります。
3つ目は、出発点も終点も決まっていないタイプです。上の画像で赤く囲ったものは、「3弦のどこからでも良い」という意味です。
このように、グリスダウンは、低音に向かってグリッサンドをすることです。出発点が決まっているパターン・終点が決まっているパターン・どちらも決まっていないパターンがあります。
グリスアップとグリスダウンの組み合わせ
グリスアップとグリスダウンを、組み合わせるパターンもあります。下の音声のような音色になります。
この音声は、グリスアップしてからグリスダウンしている組み合わせです。もちろん、この組み合わせは逆でもいいです。
TAB符では、下のような表記があります。
これは、「3弦5フレットからグリスアップして、適当なところでグリスダウンします」ということです。「×」の部分では、ピッキングしてもしなくてもいいです。
これは「ぐわーーん」というニュアンスが大事です。そのため、グリッサンドを「速くしてみたり」「遅くしてみたり」してみてください。また、音源をよく聴いて「こんな感じかな」という具合に、いろいろ試してみてください。
このように、グリスアップとグリスダウンを、組み合わせるパターンもあります。
ベースのグリッサンドの弾き方のコツ
ここから、グリッサンドの弾き方のコツを解説します。
親指を離す
まずは、親指をネックから離すことです。
これにより、親指の摩擦が抵抗にならず、スムーズにグリッサンドができるようになります。
しかし、ネックを支えてないとボディの安定感がなくなります。そこで、右手(弦を弾く側)でボディを支えます。
以上の通り、グリッサンドのコツは、親指をネックから離すことです。
まとめ
ここまで、ベースのグリッサンドについて解説してきました。まとめると以下の通りです。
- グリッサンドは、弦を滑らせてうねるような独特の音色を出す奏法
- グリスアップは、高音に向かってグリッサンドをすること。また、出発点が決まっているパターンと、ゴールが決まっているパターンがある
- グリスダウンは、低音に向かってグリッサンドをすること。また、出発点が決まっているパターンと、ゴールが決まっているパターンがある。
- グリスアップとグリスダウンを、組み合わせるパターンもある
グリッサンドの弾き方のコツ
- 親指をネックから離す
グリッサンドは、シンプルで決まり事が少ないので、それぞれのセンスが光ります。自由に模索して、いろんな表現をしてみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたのベースライフの参考になれば幸いです。
それでは。