ベースを演奏する上で、フレットの知識は重要です。「フレットの押さえ方・数え方がわからない」という基本的なことから、「音の配置は、どうなってんの」と疑問に思う方は多いと思います。
また、TAB譜で、コピーなどをやっている方は、「今押さえているところはどこなのか」ということを把握していないことが多いです。
そうならないためにも、フレットの仕組みを理解することが大事です。すると、「別にここを押さえなくてもこっちでいいじゃん」とか「こう行ったら面白いかも」とか、演奏に余裕ができます。オリジナルの楽曲の制作の際には、必ず必要な知識です。
この記事では、ベースのフレットの基本的なことから、音の配置について詳しく解説していきます。
もくじ
ベースのフレットとは
まず、ベースのフレットとは、指板上で区切る金属の棒のことです。以下の赤で囲ったものです。
これは、音程を分けるために区切っているものです。
ベースは、弦を押さえる位置によって、音程が変わります。
また、フレットレスというベースがあります。これは、フレットがないものになります。以下の画像です。
つまり、フレットは必ずあるものではないのです。しかし、フレットがないものは演奏が難しいです。
このように、フレットとは、指板上を区切る金属の棒のことです。
ベースのフレットの数え方
フレットの数え方は、以下の図のように、ヘッド側から、ナット・1フレット・2フレット・3フレット・4フレット・5フレット…と数えていきます。以下の画像のように数えます。
そして、弦の指定は、1弦2弦3弦4弦と指定されます。つまり、「3弦3フレットを押さえて」と言われたら、3弦のフレット3つ目を押さえます。
このように、フレットの数え方は、ヘッド側から数えていきます。
ベースのフレットの押さえ方
フレットの押さえ方は、ヘッド方向に少しずらします。以下の画像のように押さえます。
実際にフレットの真上を押さえると、うまく鳴らないのが確認できると思います。
少しずらすことによって、軽い力でもしっかり押さえれる仕組みです。
もちろんはじめは、余計な力が入りがちになります。しかし、押さえるコツがわかってくれば、楽になっていきます。
このように、フレットは、少しヘッド側にずらして押さえましょう
ベースのフレットの音名
フレットの音名は、以下のように分けられています。
これは、昔に5弦ベース使用時に自分用に作ったものなので、汚いですが・・このような配置になっています。なお、4弦ベースをお使いの方は、5弦の欄は無視してください。
「なんて複雑で、わかりにくいんだ」と感じますね。しかし、ある程度の法則を掴めば、指板の見方がだんだんとわかるようになります。
このように、ベースのフレットは分けられています。
ベースのフレットの覚え方
ベースのフレットの覚え方は、様々なアプローチがあります。いろいろな視点を知ることで、全体が見えるようになっていきます。ここからそれぞれ解説していきます。
開放弦の音を覚える
まずは、開放弦の音を覚えましょう。開放弦とは、どこも押さえずに弦を鳴らすことです。最も一般的なチューニングである「レギュラーチューニング」の場合は、これは、4弦=E(ミ)・3弦=A(ラ)・2弦=D(レ)・1弦=G(ソ)です。以下のようになります。
また、5弦ベースの場合は、5弦=B(シ)になります。
初心者はまずは、ここから始めると覚えやすいです。
また、なかなか頭に入らない方は、「家で痔になった→い(E)え(A)で(D)じ(G)になった」・「家でジーとしてた」・「家出じいちゃん」など、大喜利のように覚えてしまいましょう。
このように、開放弦の音を覚えましょう。
ドレミの音階を覚える
次に、ドレミファソラシドを覚えます。この際に、一番覚えやすい位置は、3弦3フレットから始まるドレミです。
まずは以下の縦軸のドレミの配列を覚えることをおすすめします。なぜなら、直感的に覚えやすく、応用がしやすいためです。
このように、3弦3フレットから始まるドレミを覚えましょう。
異弦同音を知る
異弦同音(いげんどうおん)とは、異なる弦で、全く同じ音程のことです。これは、現在鳴らしているところから、5フレット高音に移動し、1つ太い弦が異弦同音になります。
例えば、3弦の開放弦のA(ラ)の場合は、4弦5フレットのA(ラ)がそうです。2弦の開放弦のD(レ)の場合も、3弦5フレットのD(レ)になります。つまり、この関係は、どの弦も同様です。
例えば、TAB符で1弦の開放弦のG(ソ)の指定でも、2弦5フレットのG(ソ)を弾いてもオッケイです。また、3弦3フレットのC(ド)の指定でも、4弦8フレットのC(ド)でもオッケイです。
これは、弾きやすい方を選んで大丈夫です。
ただし、多少のニュアンスは変わるので、こだわり次第で選択しましょう。
このように、5フレット高音の1つ太い弦が、異弦同音ということを知ることで指板上が見えてきます。
オクターブの法則
ベースには、「オクターブの法則」というものがあります。この事を把握することによって、だんだんと音の位置がわかるようになっていきます。
まず、オクターブとは、「ドレミファソラシド」の最初と最後のドの距離のことです。これを、1オクターブといいます。
さらに、「ドレミファソラシドレミファソラシド」の最初と最後のドの距離は、2オクターブということになります。
このように、どんどん階段上に音が積み上げられていくことを、音階といい、これは続いていきます。
ここから、オクターブの法則を紹介していきます。
その①:開放弦と12フレットの関係
開放弦と同弦の12フレットの音は、オクターブの関係です。
つまり、開放弦から1オクターブ上がった音が12フレットの音になります。以下の図で確認してください。
よって、下記の音の関係になります。
- 4弦の開放弦のE(ミ)から1オクターブ高いE(ミ)→4弦の12フレット
- 3弦の開放弦のA(ラ)から1オクターブ高いA(ラ)→3弦の12フレット
- 2弦の開放弦のD(レ)から1オクターブ高いD(レ)→2弦の12フレット
- 1弦の開放弦のG(ソ)から1オクターブ高いG(ソ)→1弦の12フレット
これがわかれば、1フレットと13フレットは、1オクターブの関係です。2フレットと14フレット、3フレットと15フレット…ということになります。
このように、開放弦と同弦の12フレットの音の関係が理解できれば、音の配列が大きく理解できるようになります。
その②:フレットと弦をまたいだ対角の関係
フレットと弦をまたいだ対角も、オクターブの関係です。これは、以下の図のことです。
もちろん、どの弦も同様です。これは、スラップ奏法やオクターブ奏法という弾き方の際に、よく使われます。
このように、フレットと弦をまたいだ対角の関係を理解することで、簡単にオクターブの位置を見つけることができます。
その③:7進んで1下がる
現在押さえてるところから、7フレット高音に移動し、1つ細い弦に移動した位置は、1オクターブ高くなります。
つまり、以下の図になります。
瞬時に数えることは難しいのですが、距離感覚を覚えるように、ゆっくり把握していきましょう。
このように、7フレット高音に移動し、1つ細い弦に移動した位置も1オクターブの関係です。
12フレット以降は同じ並び
開放弦〜11フレットまでと12フレット以降は、全く音の並びが一緒になります。
つまり、11フレットまで把握できてしまえば、それ以降は全く同じ音の配列ということです。
その際に、ポジションマークと言われるもの活用しましょう。ポジションマークとは以下のものです。
これは、3フレット・5フレット・7フレット・9フレット・12フレット・15フレット・17フレット19フレットの位置にあります。この配列を把握すれば、以下の図のような解釈ができます。
これは12フレットを境にベースをぶった切ったイメージです。このような感覚を持つことで、より音の配列の見え方がわかりやすくなります。
このように、12フレット以降は同じ並びになるということを把握しましょう。
頭の中で指板をイメージして音当てゲームをする
これは、ベースがいらないので、どこでも行うことができます。このゲームは、単純です。
頭の中で、ベースの指板をイメージして、「2弦9フレットは?」「4弦2フレットは?」などと直感的に自分に問題を出します。
そして、自分で答えると言ったものです。
実際これは、難しいと思います。なぜなら、ここまで話した知識を総合的に使うからです。そして、指板のイメージが明確でなければならないからです。
はじめは、ベースをながめながらやってみてください。
これだけでもかなり、把握できるようになります。
私の独自のやり方ですが、非常に指板上の音名が把握できるようになります。
このように、頭の中で指板をイメージして、音当てゲームをする方法はおすすめです。
まとめ
ここまで、ベースのフレットの基本的なことから、音の配置について解説してきました。まとめると以下の通りです。
- フレットは金属の棒
- 数え方は、ヘッド側からナット・1フレット・2フレット・3フレット・・・と数える
- 押さえ方は、少しヘッド側にずらす
フレットの覚え方
- 開放弦の把握
- 3弦3フレットのドレミの位置の把握
- 異弦同音を把握
- 12フレットと開放弦のオクターブ
- フレットと弦をまたいだ対角のオクターブ
- 7フレット進み、1つ細い弦に下がるオクターブ
ベースの音の配置を覚えるのは、やはり大変です。しかし、様々なアプローチで応用していき、把握していってください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたのベースライフの参考になれば幸いです。
それでは。