ベースはコードにあまり馴染みのない楽器です。特に初心者で、コードがよくわからない方は多いと思います。
また、ベースコードのポジションを覚えようとする方も、少なくないと思います。
しかし、ベースコードは「覚える」のではなく、「理解する」ことを推奨します。なぜならば、ベーシストとしての表現が格段に上がるようになるからです。
この記事では、初心者が知るべきベースの役割や、コードについてを解説していきます。そして、ベーシストが理解するべき大事なポイントと、簡単なベースコードの押さえ方について紹介します。
もくじ
ベースの役割
まず、ベースの役割について解説をしていきます。それは、コードの中で一番低い音である、ルート音を弾くことです。なぜならば、低い音は、迫力や安定感、躍動感をもたらすことができるためです。下記の音声は、ルート音を弾いたものです。
様々な音楽の中で、ベースがいないことはあまりないです。ベースという名前の通りに、「曲の土台」になることが求められる重要な楽器なのです。
このように、ベースの役割とは、楽曲に迫力や安定感、躍動感をもたらすことです。
コードとは
そもそもコードとはどういったものなのでしょうか。
それは、「高さが異なる音の組み合わせ」のことで、別名を和音といいます。ポピュラー音楽は、12個の音の中から組み合わせています。
これは、馴染みのある、ドレミファソラシドのことです。
そして、コードを知る上では、ドレミファソラシドをCDEFGABCに変換して覚えます。下記のピアノの鍵盤で確認してください。黒鍵は、#(=シャープ)または♭(=フラット)する音になります。これは、同じ音ですが呼び名が変わります。
左側の低音から右側の高音に向かっていく場合は、CC#DD#EFF#GG#AA#Bと読んでいきます。
逆に右側の高音から左側の低音に向かっていく場合は、CBB♭AA♭GG♭FEE♭DD♭となります。
このように、12個の音があります。これらの音の名前を、「音名」といいます。下記の図は、ベース指板での音名の配列になります。
まとめると、コードとは「高さが異なる音の組み合わせ」のことです。これは、12個の音の中から組み合わせたものです。
メジャーコード・マイナーコードとは
コードにはメジャー・マイナーがあります。それはコードの響きが「明るい」か「暗い」かの違いになります。下記の音声は、ギターでのメジャー・マイナーコードです。
このような響きの違いになります。
メジャー・マイナーコード以外にも様々なコードがあります。しかし、この2つのコードが理解を深める上で、すごく大事なってきます。
このように、メジャー・マイナーは、コードの響きが「明るい」か「暗い」かの違いになります。
コードの決まり
コードは、主にアルファベットと数字で構成されています。
- CM7(シーメジャーセブンス)
- Dm7(ディーマイナーセブンス)
- Em7(イーマイナーセブンス)
- FM7(エフメジャーセブンス)
- G7(ジーセブンス)
- Am7(エーマイナーセブンス)
- Bm7(♭5)(ビーマイナーセブンフラットファイブ)
など様々な種類があります。
暗号みたいで非常にとっつきにくいですね。まず、ベーシストはコードの先頭のルート音だけを見ましょう。
このように、コードは、主にアルファベットと数字で構成されています。
ベースのコードとは
ベースは単音弾きが主ですが、コードも弾くことができます。このベースコードは、暖かみのあるサウンドが特徴です。下記のコードは、適当に弾いてみました。
しかし、使い所を選びます。様々な音の中で、コード弾きをしてしまうと、曲にまとまりがなくなってしまいます。
なぜならば、他の音とぶつかってしまうからです。そのため、音数が少ないところでの使用をおすすめします。
このように、ベースコードは、暖かみのあるサウンドが特徴です。しかし、使い所を選びます。
ベーシストがコードの理解で大事な、たった1つのポイント
ベーシストが、このポイントを理解しているだけで、爆発的に表現の幅は広がります。
度数(どすう)
CDEFGABの音名を1234567と数字に変換します。これを「度数」と言います。またはディグリーネームとも呼びます。
音名と関係なく、ルート音から1度2度3度・・・と数えていきます。
コードに置き換えて考えるとすごく理解が深まります。
例えばCM7を解析していきます。
基本的な形として1・3・7の度数でコードは表記されています。
図のように、3度がメジャーの場合は、表記せず、7度がメジャーの場合は表記します。
逆に、3度がマイナーの場合のみ、「m」と表記され、7度がマイナーの場合は表記されません。
よって、CM7とは、1+M3+M7の構成になります。以下は他のコードの解析です。
- Cm7=1+m3+m7
- C7=1+M3+m7
- CmM7=1+m3+M7
このような解釈になります。初めはだいぶ混乱しますが、見方に慣れてくれば、他のコード解析も早くなります。
そして、先ほどのメジャー・マイナーコードを決める要素は、この3度の音で決まります。
では、度数に変換することによって、どのような効果があるのでしょうか。
①ベースライン作りが楽になる
コードにより、ベースの動ける範囲が決まります。よって、選択肢が明確になり、ベースラインのアプローチがしやすいです。
例えば、マイナーコードを強調したい場合は「マイナー3度を多く使おう」と入った具合です。
②コードの構成を瞬時に理解できる
コードの構成が理解できていれば、コード譜といわれる、コードのみの楽譜で演奏できます。ベーシストで、譜面を見ながら演奏している方は、大体このコード譜です。
またジャムセッションで、最初にコード進行を決め、その流れに沿って自由に演奏することもできます。
③ベースコードを簡単に作れる
手の届く範囲で、「ルート➕3度」「ルート➕5度」「ルート➕3度➕7度」など、いろいろ試して作ることができます。
このように、度数が理解できれば、ややこしいコード名に振り回されずに、理解が深まり、表現の幅が飛躍的に広がります。
ベースコード弾きの3つのステップ
ベースコードの形を覚えても、本当の意味で使えません。そこで、実践的な方法を紹介します。
①ルート音の場所の把握
ベースで最も大事なのは、ルート音です。そこで、ある程度の音名を覚えるコツがあります。それはオクターブ音を覚えることです。
このように決まった音の間隔があります。もちろん、この間隔は他の音名も一緒です。ここまで把握できれば、あとは応用です。
特に、横移動のオクターブは覚えにくいです。ポジションマークを確認しながら、練習の際に習慣化すると、体に入っていきます。
このように、ルート音の場所の把握のコツは、オクターブ音の位置間隔を身に付けることです。
②度数でポジションを覚える
度数の位置を覚えていく上で、ルートから3・5・7度の位置関係を覚えましょう。
このように、ブロックにして考えていくとわかりやすいです。3度は、コードの方向性を決めるという性質があります。そして、メジャー・マイナーコードに左右されない5度は、使い勝手のいい度数です。7度はコードに繊細さを与えます。
このように、ルートから3・5・7度の位置を覚えたら、もうベースコードは弾けます。
③高音域で鳴らす
ベースの低音は、コードフォームの音程を下げると、濁った感じになってしまう性質があります。この音程の限界のことを、ローインターバルリミットといいます。
そのため、ベースコードは高音域で鳴らすのがポイントになります。
ベースコード例
これらは、ほんの一例です。
このようなコードのポジションがありますが、いろいろ探して試してみてください。
まとめ
今回は、コードにおけるベースの役割や、ベースコードについての知識を解説していきました。これらの理解が深まることにより、ベーシストとしての表現の幅が格段に上がります。まとめると以下の通りです。
- ベースの役割とは、楽曲に迫力や安定感、躍動感をもたらすこと
- コードとは、高さが異なる音の組み合わせ
- メジャー・マイナーは、コードの響きが「明るい」か「暗い」かの違い
- コードは、主にアルファベットと数字で構成されている
- ベースコードは、暖かみのあるサウンドが特徴。
- ベーシストがコードの理解で大事なポイントは、度数の理解
ベースコードを弾くための3つのステップ
- ルート音の把握
- 度数のポジションの把握
- 高音域で鳴らす
ここまで読んでいただきありがとうございました。
あなたのベースライフの参考になれば幸いです。
それでは。