ベースのスラップ(チョッパー)奏法とは?詳しく解説!!

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ベースは、地味な印象を持たれることが多い楽器です。しかし、「スラップ」は、そのイメージを払拭するぐらい強烈なインパクトがある奏法です。

そのため、すごく人気のある奏法です。しかし、「どう弾けば良いのかわからない」という方はすごく多いです。

この記事では、スラップ奏法ついて詳しく解説していきます。

ベーススラップ(チョッパー)奏法とは

スラップ(チョッパー)とは、弦を叩いて、引っ張る奏法です。下の動画の「ラリー・グラハム」が編み出したとされています。

この特徴は、リズムに特化した、踊りたくなるようなサウンドです。

ベーススラップ(チョッパー)奏法の特徴

ベーススラップ(チョッパー)奏法は、低音弦を親指で叩きつける「サムピング(サム)」と、高音弦を人差し指で引っ張る「プリング(プル)」を組み合わせるものです。

左手は、低音弦の音とその1オクターブ高い高音弦を押さえます。例えば、下の図のように、3弦3フレットのC(ド)と1弦5フレットのC(ド)を押さえます。

どの音でも、弦とフレットを1つずつまたいだ、対角線の位置が1オクターブ違う音になります。この関係は、どの音でも同じです。

このように、低音弦の音とその1オクターブ高い高音弦を、右手のサムピングとプルで叩いたり、ひっぱたりします。

ベーススラップ(チョッパー)奏法のフォーム

ここからは、スラップ奏法の右手(弦を弾く側)のフォームを紹介します。

これは、あまり握り込まないグッドボタンの形です。ちょうど以下の画像のような形です。

この形を作って、「うちわ」をあおぐ要領で、叩いたり引っぱったりします。

ここからは、1つ1つ解説していきます。

サムピング(サム)

弦を親指で叩くことをサムピングといいます。これは、主に低音弦を叩きます。このため、低い「打楽器」のような音が鳴ります。

ドラムで例えるなら、「バスドラム」の役割です。下図の赤い部分が該当します。

このサムピングには、「振り抜き型・跳ね返り型・下向き型」という3種類の奏法があります。それぞれの特徴を紹介します。

振り抜き型

振り抜き型は、弦を激しく揺らす弾き方です。このため、太く力強いアタック感が得られます。

まずは、基本的なフォームを解説します。以下の画像の形です。

ここで意識してほしいことは、親指と弦を並行にするということです。以下の画像の感じです。

次に叩く位置は、指板の最終フレットあたりをめがけ、親指の爪の横の部分で弦を叩きます。

叩き終えた後に、その下の弦で着地します。例えば、4弦を叩いたら、そのままの勢いで3弦に着地します。以下の画像のような感じです。

なお、1弦を弾く場合は着地場所がないので、そのまま振り抜きます。

このように、振り抜き型は、叩いた後に、その下の弦に着地するやり方です。

跳ね返り型

跳ね返り型は、文字通り弦を「叩く」ので、よりパーカッシブなサウンドが得られます。

これは、早い連打が得意なため、軽快なフレーズに相性が良いです。

基本的なフォームは、振り抜き型と一緒です。ただし、以下の画像のように、少し親指を上に外らせます。

そして、親指の第一関節で最終フレット辺りを叩きます。

弦を叩いた後に、元に戻します。というより、「元に戻ってしまう」といった具合です。例えるなら、下図のシーソーのようなイメージです。

このシーソーのように、下についた反動で、元に戻ろうとしますよね。跳ね返り型も、このイメージです。

下向き型

下向き型は、ストラップが長い人や、より速い連打を求める人向けです。親指を下に向けることから、この名称で呼ばれます。

下向き型を一気に世に広めたベーシストで、「フリー」という方がいます。そのため、「フリー型」とも呼ばれたりします。

基本のフォームは、親指を下斜めに向けます。以下の画像の感じです。

次に、最終フレットを狙って叩きます。跳ね返り型と同様に、親指の第一関節で叩きます。

指が弦と並行でないため、狙った弦にヒットさせるのが難しいです。

このように、下向き型は、ストラップが長い方や速い連打をしたい方におすすめです。

プリング(プル)

「プリング(プル)」と呼ばれる技法は、高音弦を引っ張る奏法です。甲高い音が得られます。

ドラムに例えるなら、「スネア」の役割です。スネアとは、下図の赤枠の部分を指します。

基本的に、プルはサムピングとセットで覚えます。その際に、人差し指で引っ張るのが一般的です。サムピングの際に、人差し指を弦の下に潜り込ませます。この際の注意点は、潜り込ませすぎないことです。以下の画像の感じです。

次に、サムピングを戻す際に、潜り込ませた人差し指を弦に引っ掛けます。

しっかりと引っ張ると、甲高い「ビッ」という音がなります。これがプルのやり方です。

始めたては、すぐに豆ができ、痛い思いをすると思いますが、指がだんだん硬くなってきます。そうなれば、いくら弾いても大丈夫です。

私は、豆ができたら中指に変えて演奏したりしていました。

ベーススラップ(チョッパー)奏法のミュート

スラップ奏法では、雑音がかなり入ってしまいます。

このため、左手(指板を押さえている側)の「ミュート」がかなり大事です。ミュートとは、鳴らしたい弦以外の音を消すことです。これは、消したい音を鳴らす弦に軽く触れることでできます。

例えば、3弦・3フレットと1弦・5フレットを押さえる際に、手全体でしっかりミュートをします。以下の画像の感じです。

このとき、中指と薬指は軽く全弦に触れています。強く押さえてしまうと、鳴らしたい弦も鳴らなくなってしまうので、注意が必要です。

このように、スラップ奏法は、雑音がかなり入ってしまうため、左手(指板を押さえている側)のミュートをしっかりやることが大事です。

ゴーストノートとは

最後に、ゴーストノートを紹介します。これは、「音程のない音」入れる技法です。スラップ奏法の中でも、肝になるものです。

まず、ゴーストノートがない演奏を聴いてみてください。

次に、ゴーストノートを入れたバージョンを聴いてみてください。

0:02・0:07・0:12・0:18にサムピングのゴーストノートを「タタッ」と入れました。そして、0:04・0:09・0:14・0:19はサムピングとプルのゴーストノートを「タカタカ」と入れました。

お分かり頂けたでしょうか?フレーズ自体は一緒ですが、”ノリ”が変わったことが体感できたと思います。

このように、ゴーストノートでは、ミュートした音を弾くことで、音程のない音を鳴らします。そして、”ノリ”がガラッと変わります。

まとめ

今回は、ベースのスラップ奏法について解説しました。

派手なスラップ奏法は、ベースの印象を変えた素晴らしい奏法です。しかし、難しくもあります。是非、習得して楽しんでください。

あなたのベースライフの参考になれば幸いです。

それでは。

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