ベース弦メーカーの選び方のコツ!!もう迷わない!!

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ベース弦のメーカーは、星の数ほど存在します。そして、それぞれの特徴も異なります。その中で、最良の弦探しの「長い旅」をしている方や、右も左もわからず、「立ち尽くしている」方々は少なくないと思います。私も、大いに迷っていました。

そこで、この記事では10種類のベース弦メーカーの特徴や傾向を紹介し、最短であなたにあった「メーカー選びのコツ」を解説していきます。

ベース弦のメーカーの種類と傾向

まず、10種類のメーカーの弦の傾向を紹介していきます。そして、「テンション・寿命・音の傾向・手触り・使用アーティスト」の5項目で評価しています。

また、何を基準にするかで感じ方は変わってしまうので、様々な方の意見を参考に、主な傾向をまとめました。

D’ADDARIO(ダダリオ)/ EXLシリーズ/ニッケル・ラウンドワウンド弦

D’ADDARIO(ダダリオ)は、世界標準と言えるベース弦です。

・テンション・・強め。

・寿命・・普通。3週間~2ヶ月ほど

・音の傾向・・バランスが良い。張りたては高音成分が多く、音の輪郭がはっきりしている。また、時間が経過したときの、丸みを帯びた芯のある音が好みの方は多い。

・手触り・・ザラザラ

・使用アーティスト・・トム・ハミルトン(AEROSMITH)、マーク・イーガン、ジョン・パティトゥッチ、スティーブ・ベイリー、ダリル・ジョーンズ(Rolling Stones)、亀田誠治、渡辺直樹、Nob / MY FIRST STORY、内田 雄一郎 / 筋肉少女帯、佐藤雅(ACIDMAN)、明希 / SID、寺沢 功一 / BLIND PIG / RIDER CHIPS、など。

ERNIE BALL (アーニーボール)/ SUPER SLIMKY シリーズ/ニッケル・ラウンドワウンド弦

アーニーボールは世界で初めてエレキ・ギター専用弦を開発した老舗の弦メーカーです。また、ダダリオに並ぶもう一つの人気弦です。

・テンション・・やや緩め。

・寿命・・短め。3週間~1ヶ月ほど。

・音の傾向・・明るい音色で、中高域の倍音が豊か。やんちゃなサウンドで、ダダリオよりも音の重心が高い。

・手触り・・ザラザラ。

・使用アーティスト・・ポール・マッカートニー、トニー・レヴィン、デイブ・ラルー、高水健司、TAIJI(X JAPAN、LOUDNESS)、YUTAKA HIGUCHI/BUCK-TICK、SIN/SIM、GURE/HAWAIIAN6、MASAKI(CANTA、アニメタル)、JIRO(GLAY)など。

Elixir (エリクサー)/  NANOWEB シリーズ

Elixir (エリクサー)は、防寒着にも使われるゴアテックスという素材で、弦全体をすっぽりと覆った弦です。この製法は、汚れが入り込むのを防ぎ、音質の劣化や腐食の発生を食い止めます。この技術はElixir (エリクサー)独自の製法です。

・テンション・・緩め。

・寿命・・約半年ほど。一般的な弦よりも三倍程度長持ち。

・音の傾向・・音の輪郭はしっかりあり、中域がちょっと強調される。フィンガリング・ノイズが少ない。また、バランスが良く、ダダリオのニッケル弦を落ち着かせたような音色が長く続く弦。

・手触り・・つるつる。

・使用アーティスト・・岡田治郎(PRISM)、TOKIE、IKUO(BULL ZEICHEN 88)、草刈愛美(サカナクション)、とみ(オレスカバンド)など。

ROTOSOUND(ロトサウンド)/swing bassシリーズ/ステンレス・ラウンドワウンド

・テンション・・少し緩め。

・寿命・・ノンコートの弦としては寿命が長め。おおよそ2ヶ月以上。

・音の傾向・・ダダリオのようなギラツキはあまりなく、「煌びやかながら下品でないハイの出方」が程好く落ち着かせている。

しかしフィンガーノイズが大きいという難点も。

・手触り・・ステンレス特有のザラつきは控えめ。

・使用アーティスト・・エントウィッスル(The Who)ゲディ・リー(RUSH)、ジョン・ポール・ジョーンズ、ビリー・シーン(MR.BIG)、 スティーブ・ハリス(IRON MAIDEN)、クリス・スクワイア(YES)、マーク・キング(LEVEL 42)など。

DR(ディーアール)/HI-BEAMシリーズ/ステンレス・ラウンドワウンド弦

ベース弦は、機械による製造が主流です。しかし、DR(ディーアール)は、職人の手で製造しています。また、弦が光る「ネオン弦」という、蛍光塗料でコーティングした特殊な弦も作っています。

・テンション・・緩め~普通。

・寿命・・劣化が緩やかで長寿命。

・音の傾向・・タイトに引き締まった低音域、ブレないサウンドが特徴的で、立ち上がりが良く音抜けも良い。楽器隊の中に溶け込むというより、しっかり主張する。スラップに合いそう。

・手触り・・程よいザラつき具合。

・使用アーティスト・・マーカス・ミラー、スタンリー・クラーク、ブーツィー・コリンズ、スティング、フィールディ(KORN)、ディビニティ・ロックス、Tetsu(L’Arc en Ciel)、岡峰光舟(The Back Horn)など。

Dean Markley(ディーン・マークレイ)/BlueSteel/ステンレス・ラウンドワウンド弦

弦を超低温冷却し(−196℃)、分子配列を整える“クライオジェニック処理”を施し、物質をより完全な結晶体に近づけます。その結果、弦振動がより正確になり、安定した音程による、クリアなトーン(音の響き)とロングサスティン(音の余韻)を実現した弦です。

・テンション・・ステンレスにしては緩め。

・寿命・・劣化が緩やかで長寿命。

・音の傾向・・チューニングの安定感。派手さはなく落ち着いていながらもアンサンブルの中で抜けてくるサウンド。4弦は低音、3弦からは中高音と使い分けがはっきりしている。

・手触り・・ザラザラ。

・使用アーティスト・・ウィル・リー、マイケル・アンソニー(Chicken Foot、Van Halen)、TM スティーブンス、ニッキー・シックス(Motley Crue)、ジェフ・アメント(Pearl Jam)など。

S.I.T(エス・アイ・ティー)/ニッケル・ラウンドワウンド弦

独自の加工「ステイ・イン・チューン加工」により、抜群のチューニング安定度を誇るブランドです。

・テンション・・若干緩め。アーニーボールと同じくらい。

・寿命・・比較的長め。

・音の傾向・・チューニングが安定している。張りたての時は、倍音を抑えたステンレス弦のような硬質で引き締まったサウンド。音の重心がミドルにある。

・手触り・・普通。ダダリオより滑らか。

・使用アーティスト・・ジャック・ブルース、デイビッド・エレフソン(Megadeth)、345(凛として時雨)、ロバート・デレオ (Stone Temple Pilots)、ブライアン・マーシャル (Creed 、Alter Bridge)、など。

Richard Cocco(リチャード・ココ)/ニッケル・ラウンドワウンド弦

伝統的な製弦機と良質な材料のみを使用し、職人による手巻きという製法に頑なにこだわっているメーカーです。

・テンション・・普通からややきつめ。

・寿命・・劣化も緩やかで長寿命。

・音の傾向・・バランスの良さ。4弦から1弦の音量、音質の均一感。歌もののバックには丁度いい落ち着いた音。おとなしくしっとりしたサウンド。

・手触り・・程よくザラザラ。

・使用アーティスト・・マシュー・ギャリソン、レジー・ワシントン、アル・ターナー、バション・ジョンソン、納 浩一、田村明浩(スピッツ)、河原 真(ロッカトレンチ)、鈴木 渉 など。

JIM DUNLOP(ジムダンロップ)/Super Brightシリーズ/ニッケル・ラウンドワウンド弦

・テンション・・緩め。

・寿命・・比較的長め。

・音の傾向・・明るく抜けのいい音。かなりブライトなサウンドであるにも関わらず、ギラギラしすぎない渋さ。

・手触り・・程よくザラザラ。

・使用アーティスト・・マーカス・ミラーやNothing’s Carved In Stoneの日向秀和などはシグネイチャーモデルも展開している。

GHS(ガス)/Bass Boomersシリーズ/ニッケル・ラウンドワウンド弦

ダイナマイト・アロイと呼ばれる独自配合のスティール合金を素材に用いることでブライトなトーンとロングサスティーンを実現したghs主力モデルです。

・テンション・・強め。

・寿命・・比較的長め。

・音の傾向・・ドンシャリサウンド。音圧があり、パワフルなサウンド。特に中音域から高音域の音が特徴的だが、低音域も引き締まってハッキリした音が出る。

・手触り・・ややツルツル。

・使用アーティスト・・フリー(Red Hot Chili Peppers)、日向秀和(ストレイテナー)、岡峰光舟(バックホーン)など。

最短のメーカーの選び方

ここまで、各メーカーの代表的な弦をピックアップしました。この中で、メーカーの選び方を解説していきます。

やりたい音楽のジャンルからメーカーを選ぶ

まず、どういったジャンルの音楽をやっているのか、ということに焦点を置いて、適した弦を分けました。

歌もの系
  • Elixir (エリクサー)/  NANOWEB シリーズ、
  • Richard Cocco(リチャード・ココ)
ロック系
  • D’ADDARIO(ダダリオ)/ EXLシリーズ
  • ERNIE BALL (アーニーボール)/ SUPER SLIMKY シリーズ
  • ROTOSOUND(ロトサウンド)/swing bassシリーズ
  • Dean Markley(ディーン・マークレイ)/BlueSteel
  • S.I.T(エス・アイ・ティー)
  • JIM DUNLOP(ジムダンロップ)/Super Brightシリーズ

ハードコア系  

  • DR(ディーアール)/HI-BEAMシリーズ
  • GHS(ガス)/Bass Boomersシリーズ

 

このようにグループ分けをすると、選びやすくなっていきます。

好きなベーシストと同じメーカーの弦にする

好きなベーシストと同じメーカーの弦にすることは、一番わかりやすい選び方です。そして、目指す「音」があるのは、弦を選ぶ上で大きな指針になるので、最短であなたにあったメーカーの弦を見つけることができます。

とにかく試す

数多くのメーカーを試していくのは、骨が折れる作業ですが、体感するのが一番です。しかし、ベース弦の寿命は、ギターと比べるとだいぶ長いので、過去に弾いた弦の感覚を忘れてしまいます。そのため、記録(録音やメモ)をしておくことをおすすめします。

まとめ

今回は、10種類のメーカーの弦の特徴や傾向を紹介していき、メーカーの最短の選び方のコツを解説しました。

メーカーの選び方は、次の通りとなります。

  • グループ分けをする。
  • 好きなベーシストと同じメーカーの弦を張る。
  • とにかく試す

ここまで読んでいただきありがとうございました。

あなたのベースライフの参考になれば幸いです。

それでは。

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