ベースとギターの区別がよくわからない方は、多いのではないでしょうか?実際、私はよくわからなかったです。
しかし、これらは見た目が似ているだけで、全く異なった楽器です。
この記事では、ベースとギターの違いを様々な視点から比較・解説していきます。
もくじ
ベースとギターの見た目の違い
まずは、ベースとギターの見た目の違いについて解説していきます。
ベースとギターは弦の本数が違う
弦の本数は、ベースは4本でギターは6本が基本です。下の画像がそうです。
ただし例外として、5弦や6弦などといった多弦ベースや、7弦や8弦などの多弦ギターもあります。特にベースの5弦は、使用するアーティストは多いです。
このように、ベースは4本で、ギターは6本というのが違いの一つです。
ベースとギターは弦の太さが違う
弦は、ベースは太く、ギターは細いです。弦楽器の性質上、太いほど低音がでて、細ければ高音がでる特徴があるためです。
遠目からではわかりにくいですが、近くで見ると全く違うことが確認できます。下の画像がそうです。
このように、ベース弦は太く、ギター弦は細いのも違いの一つです。
ベースとギターは弦の長さが違う
弦は、ベースは長く、ギター弦は短いです。その理由に、弦は長いほど低音がでて、短いほど高音になるからです。
そして、この長さのことを「スケール」と言います。下の画像が該当部分です。
ベースは、ナットからボディのお尻側(ブリッジ)まで、弦が伸びています。ギターはボディの中央あたりで止まっています。
このように、ベース弦は長く、ギター弦は短いのも違いの一つです。
ベースとギターは本体の大きさが違う
ベースは、ギターと比べると本体が大きいです。これは、弦の太さと長さの違いが、本体の大きさにも影響しているためです。
比べなければ、大きさはわかりにくいです。下の画像はエレキベースとエレキギターを比較したものです。
また、下の画像は、ウッドベースとアコースティックギターを比較したものです。
こちらは、こんなにも違いがあります。完全に別の楽器です。
このように、ベースは、ギターと比べると本体が大きいのも違いの一つです。
ベースとギターの音域の違い
ベースとギターの音域の違いは、一番低い音程です。これは、1オクターブ違います。
1オクターブとは、「ドレミファソラシド」の「ド」〜「ド」の距離のことです。ベースの指板で表すと、下の図になります。
かなりかぶる音域は多いですが、ベースは低音、ギターは、中音・高音を担当します。
また、それぞれ音域の幅を広げるために、それぞれ多弦ベース・多弦ギターも存在します。
このように、ベースとギターは、担当する音域が異なります。
ベースとギターの役割の違い
音楽における3大要素として、リズム・ハーモニー・メロディーで曲は成り立つと言われています。その中における、ベースとギターの役割の違いを解説していきます。
ベースの役割
ベースは、曲に安定感・迫力・躍動感をもたらします。この理由に、リズムとハーモニーに大きく関わっているからです。
ハーモニーとは、音の重なりです。例えば、合唱ではそれぞれ、バス・テノール・ソプラノ・アルトなどがあります。これを同時に歌うことで、美しい旋律ができますね。これは、楽器も一緒です。
では、具体的に解説します。まず、リズムはドラムが担当します。そこに”肉付け”をするのがベースです。このことによって、単調だったリズムに奥行きがでます。
すると、「体が勝手に動き出してしまう」「身を委ねたくなる」といった躍動感を演出できます。
ハーモニー(和音)はギターやピアノなどが担当します。その最低音を担当し、”立体的”にするのがベースです。すると、「音色が気持ちいい」「どっしりくる」と言った、安定感や迫力を演出できます。
このように、ベースには、安定感・迫力・躍動感をもたらす役割があります。
ギターの役割
ギターは、複数の音を同時に鳴らし、ハーモニー(和音)を作り出します。これを、「コード」と呼びます。これによって、曲の世界観や方向性が決まりす。
この世界観とは、「朝・夕方・夜」や「春・夏・秋・冬」や「明るい・暗い・切ない」などと言った、「〜っぽい」という雰囲気を表現することができます。
メロディー(歌)は、コードの上に成り立っています。つまり、コードという紙に、自由に絵を書いていくようなものです。
このように、ギターには、曲の世界観や方向性を決める役割があります。
ベースとギターの難しさの違い
同じ弦楽器として、ベースとギターの難しさの違いを解説していきます。
ベースの難しさ
ベースは基本的に単音で弾くので、ギターに比べて最初は、入りやすいです。しかし、少し弾けるようになってからは難しくなります。
まず、リズムを正確に弾く必要があります。そして、コードの理解も多少必要です。
つまり、他の楽器のこともある程度知る必要があるということです。これは、ベース単体では、音楽として成り立たないという特徴があるためです。
ベースは、メロディーラインが単調な曲が多いので「弾けている」と思いがちです。しかし、ただ弾くだけでなく、リズムに乗ることが重要になります。
いわゆる「グルーヴ」と言われるものです。
これは、「体感することでしか理解ができない」という難しさがあります。
さらに、コードの最低音(=ルート音)を弾くことが重要です。これを弾いていないと、曲が訳わからない感じになってしまいます。
このように、ベースの難しさとは、リズムを正確に弾く必要があり、コードの理解も多少必要なことです。
ギターの難しさ
ギターの難しさは、コード弾きが非常に難しいことです。このため、挫折する確率が非常に高いです。
なぜなら、ベースと違って、複数の弦を同時に押さえる必要があるからです。
私も少しギターを弾きますが、「こんな押さえ方が、人間にできるのか」と本当に驚きます。ただ押さえるだけでなく、瞬時にコードを変えなければいけません。
また、様々な奏法があるので、習得には多くの時間が必要です。
このように、初心者殺しのごとく、ギターの難しさは、コード弾きが非常に難しいことです。
ベースとギターに向いている性格の違い
個人的な見解ですが、ベースとギターに向いている性格を解説していきます。
ベースに向く性格
ベースに向く性格は、地道にコツコツできる人です。この理由は、練習が地味で、上達が感じにくいことです。
私は、ベースを始めた当初は、全く面白さを感じられませんでした。
面白さを体感できるようになったのは、他の楽器との兼ね合いがなんとなく分かってきた時からでした。そこまでの道のりには、非常に時間がかかりました。
このような経験から、ベースに向く性格は、地道にコツコツできる人です。
ギターに向く性格
「曲を作ってみたい」や「自分の感性を表現したい」人が合っていると感じます。なぜなら、曲作りには、和音を奏られる楽器が向いてるからです。
例えば、シンガーソングライターは、ギター1つで活動ができます。そして、思う存分に自分を表現できます。
バンドにおいても、歌のメロディーに並ぶぐらい、ギターソロで前に出ることも可能です。
エフェクターなどで、様々な音色を表現することも可能です。
このように、ギターに向く性格は、「曲を作ってみたい」や「自分の感性を表現したい」人です。
バンドを組んでいるかどうかの違い
ベースとギターは、すでにバンドを組んでいるかどうかによって、どちらを始めるか変わります。ここから、私の経験から解説していきます。
バンドを組んでから始める場合
バンドを組んでから始めるのならば、ベース・ギターどちらからでも良いです。
その際、やはりギターが人気です。よく「ジャンケンで負けてベースになった」という方は多いです。
そのため、ベースは比較的人口が少ない傾向にあります。なので、バンドメンバー募集でベースを探している人が多く、バンドを組むのに困ることは少ないです。
このように、バンドを組んでから始めるのならば、ベース・ギターどちらからでも始めることができます。
バンドを組んでいない状態で始める場合
バンドを組んでいない状態でしたら、ギターをおすすめします。
これは、一人でも活動ができるためです。
ベースはその特性上、一人で始めるには厳しいです。もちろん好きなら別ですが、他の楽器と合わせることで生きる楽器です。
このように、バンドを組んでいない状態でしたら、ギターをおすすめします。
まとめ:ベースとギターは全然違う
ここまで、ベースとギターの違いを解説してきました。まとめると以下の通りです。
見た目の違い
- 弦の本数は、ベースは4本でギターは6本
- 弦は、ベースは太く、ギターは細い
- 弦は、ベースは長く、ギター弦は短い
- ベースは、ギターと比べると本体が大きい
役割の違い
- 音域は、ベースは低音、ギターは、中音・高音を担当
- ベースは、曲に安定感・迫力・躍動感をもたらす
- ギターは、曲の世界観や方向性を決める
難しさの違い
- ベースは、リズムを正確に弾く必要があり、コードの理解も多少必要
- ギターの難しさは、コード弾きが非常に難しい
向いている性格の違い
- ベースに向く性格は、地道にコツコツできる人
- ギターに向く性格は、「曲を作ってみたい」や「自分の感性を表現したい」人
始める環境の違い
- 先にバンドを組んだのなら、どちらからでも始められる
- バンドを組んでいないのなら、ギターがおすすめ
このような違いがあるので、似ても似つかない楽器です。比べられる事の多い両者ですが、それぞれリスペクトの気持ちを持つことは大事です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
参考になれば幸いです。
それでは。