「ベースをピックで弾きたい」と考える人は多いです。ただ、「どのようにピックを選べがいいかわからない」「どう弾けば正解なの」と迷う方は少なくないと思います。
そこでこの記事では、ベースのピックの選び方・持ち方・弾き方を、ポイント押さえながら解説していきます。また、簡単な練習事例も紹介していきます。
もくじ
ベースのピック弾きの特徴
まずは、ベースのピック弾きの特徴を解説します。これには、以下の特徴があります。
- 硬めの音で、輪郭がはっきりしている。
- リズムがとりやすい
- 疾走感・スピード感がでる
- 音のキレが出る
- 速いリズムが得意
これらは、指弾きにはない特徴です。ピック弾きの良さを最大限に生かしましょう。
その特徴から、スピード感やキレがある曲で使用されることが多いです。
例えば、私の好きなthe band apartの「Eric.W」という曲があります。
ベーシストは、原昌和さんです。音色は少し歪ませていますが、スピード感とキレが融合した好例です。
しかし、その音色を好んで、あえてゆっくりな曲でやるアーティストもいます。
例えば、ジャズベースプレイヤーで「スティーヴ・スワロー」というアーティストがいます。独特な甘い、輪郭のある音色を奏でています。
以上が、ベースのピック弾きの特徴です。
ベースピックの種類
次に、ベースピックの種類を解説します。これは、以下の3つの要素によって分類されます。
- 形
- 硬さ
- 素材
これらを組み合わせて、自分にあったものを選びます。
1つ¥100~¥150ぐらいなので、数多く試して最良の一つを見つけてください。ただし、あまりにも種類が多すぎて迷ってしまう方は多いです。
そして、最初は弾きやすい基準がわからず、非常に選びにくいです。
そこで、私の経験を交えて選ぶ基準を紹介していきます。
ピックの形
まずは、ピックの形について解説します。これには、以下のような種類があります。
などがあります。この中で、おすすめはおにぎり型です。
なぜなら、店頭に必ず置いてあり、握りやすいからです。また、ティアドロップ型もどこでも取り扱っていますが、サイズ感が小さいので初心者には、少し扱いづらいです。
私も、最初はこのおにぎり型から入りました。そこから試行錯誤を繰り返して、ティアドロップ型に落ち着きました。
まずは、手に入りやすく、持ちやすいおにぎり型をおすすめします。
ピックの硬さ
次に、ピックの硬さについて解説します。これは、下記の種類があります。
- 「THIN/シン」→柔らかい
- 「MEDIUM/ミディアム」→中くらい
- 「HEAVY/ヘビー」→硬い
- 「EXTRA HEAVY/エクストラヘビー」→すごく硬い
に分類されます。この中で最初に使うのにおすすめなのは、ミディアムです。
基準にする硬さが中くらいであれば、次は「もっと柔らかめにしよう」「もっと硬めにしよう」と選びやすくなるためです。
ちなみにピックには、硬さが表示されていないものもあります。その場合は、ミディアム表示のピックと、触って比べてみてください。以下の画像の赤枠で「〇〇mm」と書いてある場合があります。
これはピックの厚みを表しているので、実際に触って選んでください。
このように、硬さを選ぶ際は、ミディアムをおすすめします。
ピックの素材
ピックの素材には、セルロイド、ポリアセタール、ナイロン、金属などがあります。あまりよくわかりませんね。これに関しては、滑り止めがあるピックをおすすめします。
なぜなら、最初は握り方の力加減がわからないからです。すると、弾いている内にピックがずれてくることがよくあります。
そのため、滑り止めのあるピックによって、これを防ぐのがよいです。
以下の画像のように、中央部がざらざらとした材質になっているタイプがそうです。
私は、ピックがずれて仕方なかったです。こうなると、弾くどころではなくなってしまうので、滑り止めのあるものを使いましょう。
このように、ピックの素材は、滑り止めがあるものをおすすめします。
ベースピックの持ち方
続いて、ピックの持ち方を解説します。
これは、親指の第一関節辺りと、人差し指を折込んだ側面で押さえます。以下の画像で確認してください。
また、ピックの先端を出す長さは、5mm~10mm程度で持ちます。以下の画像ぐらいです。
人によって多少の違いはありますので、神経質にならずに持つことが大切です。
このように、親指の第一関節辺りと、人差し指を折込んだ側面で押さえます。
ベースピックの弾き方
続いて、ベースピックの弾き方を解説します。
ここでは、以下の4つの要素が大切です。
- ピックの角度
- ピックを入れる深さ
- 弦を弾く位置
- 手首の動かし方
これらの点を押さえることによって、”良い音”を鳴らせるようになります。
もちろん簡単ではないですが、意識することによって、最後は必ずできるようになります。
ここから、一つずつ解説していきます。
弦に対して平行に当てる
まず、ピックを当てる角度について解説します。
以下の画像のように、弦に対して平行に当てます。
この理由は、斜めに当たってしまうと、「ジャリッジャリッ」というピッキングノイズが入ってしまうからです。また、弦に対して力がうまく伝わらないので、音がしっかり鳴りません。
以下の音声は、大袈裟にピッキングノイズを入れました。
このピッキングノイズに対して、「しょうがない」と雑に考える人も多いです。しかし、これは聴く側からすると、非常に気になるものです。
音色に大きく関わってくるので、難しいですが意識してしっかりやりましょう。
このように、ピックは平行に当てることが大事です。
弦に対して浅めに入れる
次に、ピックを入れる深さについて解説します。
これは、弦に対して浅めに入れることが大事です。以下の画像を参考にしてください。
深く入れすぎると、ピックが弦に負けてしまいます。よって、上手く弾けません。
また、速弾きする場合はさらに浅めに入れることがあります。これは、弦の抵抗があると速く弾けないためです。しかし、逆にしっかり当てるのが難しくなります。
このように、ピックを浅めに入れることで、連続して弾きやすくなります。
弦を弾く位置
続いて、弦を弾く位置について解説します。
これによって、音色が変わります。その違いは、以下の通りです。
赤で囲ったあたりは、硬い音になります。黄色で囲ったあたりは、中くらいの音になります。緑で囲ったあたりは、柔らかい音になります。
以下の音声は、赤・黄色・緑と順番に弾いています。多少の変化なのでヘッドフォンやイヤホンで聴くことを推奨します。
この音色の変化を利用して、曲のフレーズよって使い分けるアーティストもいます。しかし、はじめは黄色で囲った位置で弾きましょう。
このように、弾く位置によって音が変わります。しかし、慣れるまで弾く位置を固定し、コツをつかんでいきましょう。
手首のスナップ
最後に、手首のスナップについて解説します。スナップとは、手首の力を使うことです。
手に付いた水を飛ばす時にやる動作をイメージしてください。または、うちわを仰ぐ時の手の動きを意識します。まさにこれらは、ピック弾きのものと同じです。
このように、手についた水を飛ばす・うちわを仰ぐ動作をピック弾きに落とし込んでいきましょう。
全体のフォーム
ここまで、ピックを使った弾き方を解説してきました。
しかし、全体のフォームが正しくなければ、うまくできません。そこでここからは、正しい姿勢を解説します。
まず、ベースのくびれを太ももに乗せます。そして、ヘッド部分を前方に押し出します。以下の画像の赤い部分です。
次に、以下の画像のように、うででベースのボディを軽く支えます。
この形を守ってコツをつかんでいきます。
すると、以下の画像のように、姿勢を正しく保ち構えられます。
こうすると、立って演奏する際でも、弾きやすい位置にベースをコントロールできるようになります。
このように、正しいフォームを作ることも、ピックを使ったベースの弾き方のコツです。
ベースピック弾き奏法の種類
ベースピック弾き奏法には、3つの種類があります。
具体的には次の通りです。
- ダウンピッキング
- アップピッキング
- オルタネイトピッキング
ここから、それぞれ解説していきます。
ダウンピッキング
ダウンピッキングは、上から下にピックを振り下ろす方法です。これは、最も弾きやすいです。
その特徴は、非常に力強く、音にムラが出にくいです。その反面、速いスピードには対応できません。
なぜなら、上から下に降ろしたら、もう一度戻ってやり直すという動作を繰り返すためです。つまり、2つの動作があるにもかかわらず、1度しか弾かないという理由です。
しかし、アーティストによっては、ダウンでひたすら弾くといった強者(つわもの)もいます。
ダウンピッキングとは、その名の通り、上から下にダウンするピッキングです。
アップピッキング
アップピッキングは、下から上にピックを振り上げる方法です。
これ単体で弾くことはあまりないです。しかし、これをキレイに弾けると、次のオルタネイトピッキングにものすごく役立ちます。
なぜなら、ダウンとアップの繰り返しがオルタネイトピッキングだからです。
アップピッキングとは、その名の通り、下から上にアップするピッキングです。
オルタネイトピッキング
オルタネイトピッキングは、ダウン・アップを交互に行う方法です。
まず、ダウンピッキングを行います。その後に、戻る動作を利用して、アップピッキングを行う形です。なので、動作に無駄がないです。
特徴は、リズムが正確で、早いテンポで弾くことができます。
しかし、ダウンとアップのピッキングの音量差が出ると、聴いていて心地よくないので注意が必要です。
このように、ダウンとアップを組み合わせたものがオルタネイトピッキングです。
練習事例
ここから、具体的な練習に入っていきます。
まず、開放弦(左手で何も押さえない状態)を作ります。そして、ダウンピッキング・アップピッキング・オルタネイトピッキングを一つずつ弾いていきます。
まずは、ダウンピッキングからやっていきます。
- 4弦→3弦→2弦→1弦の順で、それぞれ「ボーンボーンボーンボーン」とゆっくり4回ずつ弾きます。
- 4弦→2弦→3弦→1弦を同じ要領で、それぞれ4回ずつ弾きます。
- 慣れてきたら、自分で順番と回数を1つ決め、その通りに弾きます。
このように弾いて、弦の間隔を把握していきましょう。
その際に、先ほど紹介した4つのポイントを意識してください。
- ピックの角度
- ピックを入れる深さ
- 弦を弾く位置
- 手首の動かし方
次に、同じ要領で、アップピッキング・オルタネイトピッキングもそれぞれやっていきましょう。
地味な練習ではありますが、出来てくると面白くなっていきます。
このように、ダウンピッキング・アップピッキング・オルタネイトピッキングを1つずつ行うことで、安定した”良いピッキング”ができるようになります。
まとめ
ここまで、ベースピックの選び方から弾き方までを解説してきました。まとめると以下の通りです。
おすすめのピック
- 形→おにぎり型
- 硬さ→ミディアム
- 素材→滑り止めのあるタイプ
ピックの持ち方
- 親指の第一関節辺りと、人差し指を折込んだ側面で押さえる
- ピックの先端は、5mm~10mm程度出す
ピックの弾き方
- ピックの角度→弦に対して平行に当てる
- ピックを入れる深さ→弦に対して浅めに入れる
- 弦を弾く位置→中間の位置で弾く
- 手首の動かし方→「手についた水を飛ばす」「うちわを仰ぐ」動作
を意識します。その際に、全体のフォームも重要です。
ベースピック弾き奏法の種類
- ダウンピッキング
- アップピッキング
- オルタネイトピッキング
これらがあります。その際に、それぞれの弾き方で練習していきましょう。
このように、様々なポイントがありましたが、それぞれを意識することで、上達は早くなります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
あなたのベースライフを応援しています。
それでは。